12.ヨーロッパの記譜法が世界中に広まったのは(Why did European music notation spread all over the world)

ヨーロッパの記譜法がなぜこれほど急速に世界の一般的な

譜面になったのかといえば、大きな2つの要因があると思います。1つは様々な音高の音階を12個の平均的な音列(鍵盤の白鍵と黒鍵で1オクターブ分)に統一し微妙な音の高さについては五線譜の登場とともに省いてしまったことが18世紀からの和声の発達に大きく貢献したということ、もう1つは五線譜と定量の音符を編み出すということにより「わかりやすさ」が飛躍的に向上し印刷された楽譜により誰でも書かれている音楽の大体の様子を再現することができるようになったということです。産業革命以来の合理性と植民地獲得競争とキリスト教の布教に伴う宗教音楽の広まりが世界中に五線譜を定着させる後押しになったことは否めませんけどね。ちなみにほかの国の楽譜についてはここでは歌舞伎に使われている下座音楽の譜面を例に出してみますが、たゆまぬ稽古と先輩の奏でるものを吸収し自分のものにしていくという大変密室的な特別な世界での鍛錬が求められていると思います。これに対して五線譜による音楽の会得は先輩の演奏を模倣してなおかつ自分の内面的な情緒を表現するのは大変困難なことに思われます。それよりも楽譜から目を離さず順に楽譜を追っていくことで作曲家の本質に迫れるのではないかと思います。このことは多分に歴史とかかわるようになりますのでここではそこまでにしておこうと思います。(I am sorry, but the English translation of the above sentences is omitted)